労働安全衛生法の化学物質管理
労働安全衛生法の危険物および有害性に関する規則として製造禁止物質、製造許可物質、表示・通知対象物質の概要を説明しています。

スポンサーリンク

労働安全衛生法の化学物質管理

2025.5.18 update

概要

遅まきながら、労働安全衛生規則等の一部を改正する省令(令和4年厚生労働省令第91号(令和4年5月31日公布))をまとめました。

参考文献
化学物質による労働災害防止のための新たな規制について(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000099121_00005.html

<背景>
厚生労働省によると、国内で輸入、製造、使用されている化学物質は数万種類にのぼり、その中には、危険性や有害性が不明な物質が多く含まれます。化学物質を原因とする労働災害(がん等の遅発性疾病を除く。)は年間450件程度で推移しており、がん等の遅発性疾病も後を絶ちません。
化学物質による休業4日以上の労働災害(がん等の遅発性疾病を除く。)の原因となった化学物質の多くは、化学物質関係の特別規則の規制の対象外となっています。本改正は、これら規制の対象外であった有害な化学物質を主な対象として、国によるばく露の上限となる基準の策定、危険性・有害性情報の伝達の整備拡充等を前提として、事業者が、リスクアセスメントの結果に基づき、ばく露防止のための措置を適切に実施する制度を導入するものです。

 

<厚生労働省資料より抜粋>

 

このうち、労働安全衛生法のおける化学物質管理として必要なリストは以下のとおりとなります。
1.ラベル表示・SDS等による通知の義務対象物質(表示・通知義務対象物質)
 GHS分類の結果、発がん性、生殖細胞変異原性、生殖毒性、急性毒性のカテゴリーで区分1に分類された物質が対象となります。

 

表示・通知義務対象物質の大幅な増加について(2025.4.1以降)

 

表示・通知義務対象物質リスト

 

2.皮膚等障害化学物質
  皮膚もしくは眼に障害を与えるおそれがあることが明らかな物質、皮膚から吸収されるかもしくは皮膚に侵入して健康障害を生ずるおそれがあることが明らかな物質のこと。皮膚刺激性有害物質(皮膚又は眼に障害を与えるおそれがあることが明らかな化学物質)と皮膚吸収性有害物質(皮膚から吸収されるもしくは皮膚に侵入して健康障害を生ずるおそれがあることが明らかな化学物質)があります。

 

皮膚等障害化学物質リスト(厚生労働省)xlsx形式
https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001423892.xlsx

 

3.がん原生物質
 発がん性の区分が区分1(細区分の区分1A及び区分1Bを含む。)に該当する物質が対象となります。

 

がん原生物質リスト(厚生労働省)xlsx形式
https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001474395.xlsx

 

4.特別規則
 有機溶剤中毒予防規則特定化学物質障害予防規則、鉛中毒予防規則、四アルキル鉛中毒予防規則、粉じん障害防止規則関係など

 

参考資料

職場の化学物質管理総合サイト ケミサポ
https://cheminfo.johas.go.jp/
厚生労働省というお堅い感じとは一線を画し、ゆるきゃらを採用するなどやわらかいイメージのサイトです。
今回の改訂はかなり複雑で事業者に求めるところが多いですが、非常にわかりやすくなっています。

スポンサーリンク

スポンサーリンク