毒劇物の判定基準
毒物及び劇物取締法(毒劇法)の毒劇物の判定基準を説明しています。

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毒劇物の判定基準

2025.6.8 update

 

新着情報
2025.6.8 2025.3.6付けで毒劇物の判定基準が改訂されています。
https://www.nihs.go.jp/mhlw/chemical/doku/tuuti/pd_criteria_20250306.pdf

 

毒劇物の判定は動物、人またはその他における知見に基づき、当該物質の物性、化学製品としての特性等を勘案して行うものとする。(厚生労働省 薬事・食品衛生審議会の内規より)

 

 

動物における知見

全身急性毒性

原則として、得られる限り多様な暴露経路の急性毒性情報を評価する。

 

以下の暴露経路で一つでも該当すれば、毒物、劇物と判定する。
毒物と劇物の両方に判定される場合は毒物とする。

 

暴露経路 毒物 劇物
経口 LD50 50mg/kg以下 LD50 50~300mg/kg
経皮 LD50 200mg/kg以下 LD50 200~1000mg/kg
吸入(ガス) LC50 500ppm(4hr)以下 LC50 500~2500ppm(4hr)
吸入(蒸気) LC50 2.0mg/L(4hr)以下 LC50 2.0~10mg/L(4hr)
吸入(ダスト、ミスト) LC50 0.5mg/L(4hr)以下 LC50 0.5~1.0mg/L(4hr)

<その他>
次の項目に知見がある場合には参考にする。
イ) 中毒徴候の発現時間、重篤度並びに器官、組織における障害の性質と程度
ロ) 吸収・分布・代謝・排泄動態・蓄積性及び生物学的半減期
ハ) 生体内代謝物の毒性と他の物質との相互作用
ニ) 化学物質の反応性等の物理化学的性質に関する知見
ホ) その他の試験で保健衛生上の有害性が認められる場合

 

局所毒性

皮膚または眼等の粘膜に対する重篤な傷害を有する物質は、劇物と判定する。

皮膚に対する腐食性

動物実験
 ウサギを用いる皮膚腐食性試験にて、最高4 時間までのばく露の後試験動物3 匹中1 匹以上に皮膚組織の破壊、すなわち、表皮を貫通して真皮に至るような明らかに認められる壊死を生じる場合。

 

代替法
 有効な代替法による評価によって腐食性陽性と判断される場合。

眼等の粘膜に対する重篤な損傷

動物実験
 ウサギを用いたDraize試験において、少なくとも1匹の動物で角膜、虹彩又は結膜に対する、可逆的であると予測されない作用が認められる、または通常21日間の観察期間中に完全には回復しない作用が認められる場合。
 試験動物3匹中少なくとも2匹で、被験物質滴下後24、48、72時間における評価の平均スコア計算値が角膜混濁≧3または虹彩炎>1.5で陽性応答が見られる場合。

 

代替法
 有効な代替法による評価によって腐食性陽性と判断される場合。

 

ヒトにおける知見

ヒトの事故例等を基礎として毒性の検討を行い、判定を行う。

 

特定毒物について

毒物のうちで毒性が極めて強く、広く一般に使用されるか又は使用されると考えられるものなどで危害発生の恐れが著しいものは特定毒物とする。

 

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